刃物の情報

D.P処理法

ダマスカス

シリアのダマスカスで刀剣として加工、独特の縞模様があるが200年ほど前に途絶え、今では製品化するのは不可能と言われています。
現在、ハイス刃物鋼を多層ステンレス鋼で両側から挟み込み、多層鋼がかもしだす特有のダマスカス模様を描き出しています。強度、耐摩耗性がある。錆にも強いが、やはり錆びるのでご使用後は乾いた布きれなどで拭く必要があります。

鋏(はさみ)とは

はさみとは、二枚の刃を組み合わせて比較的薄いものを切断する『道具の総称』で、裁縫、理容、植木の剪定、華道、工業用、工作用など、用途に応じたさまざまな種類があります。
分類としては和ばさみ(=握りばさみ)、洋ばさみに分けられます。
(注)広義には「押し切り(断裁機)」もはさみに含まれるらしい

実は和ばさみは握りばさみに含まれる。

握りばさみとは一枚の鋼板から切り出した帯状の板を曲げて作ったもので、紀元前4世紀頃から使われていたらしい。(卑弥呼の時代で紀元2世紀である)

日本では6~9世紀の間に使われはじめ、江戸時代に普及したらしい。西洋ばさみが使われだしたのは明治に入ってから。

はさみ・製造工程の比較

和ばさみ
軟鉄をたたき出して帯状にし、両端に刃の部分となる鋼を鍛接して焼き入れ、刃の仕上げ研ぎを行ってから最後に曲げて整形する。

名称製造の順序
和ばさみ軟鉄をたたき出して帯状にし、両端に刃の部分となる鋼を鍛接して焼き入れ、刃の仕上げ研ぎを行ってから最後に曲げて整形する。
洋ばさみ全体を鋼材から鍛造し、刃を仕上げてからメッキ、組み立てを行うのが普通。
日本では軟鉄に鋼を鍛接した刃先に、握り部分を溶接して作ることが多い。
和ばさみは手前に支点、中央に力点、先に作用点。
洋ばさみは手前に力点、中央に支点、先に作用点。
(わかりやすいように左右反転しています)
押し切りは手前に力点、中央に作用点、先に支点。

握りばさみについて


家庭ではあまり見かけなくなった握りばさみ。 小ばさみ、糸切りばさみともいいます。
それでも、握りばさみの需要はまだまだ多い。当店では、縫製工場、和裁店、数珠屋さんからの注文がその多くを占めます。

握りばさみに数珠屋さんからの発注が多いのは、その特徴が数珠製作に合っているからだと想像されます。
数珠製作では、はさみと数珠とを頻繁に持ち替える、細かい作業が多くはさみを顔に近づけることもある、などの特徴があります。洋ばさみの「指を通す」行程が必要なく、手の延長として使える握りばさみが、本職として数珠を作っている方には合っているのでしょう。

タイトルとURLをコピーしました